ソフトバンク、2000作の小説を無料で読める電子書籍ポータルを9月開設
ソフトバンクモバイルは29日、約2000作品の小説をコンテンツ料無料で読める電子書籍のポータルサイト「タダ本」を9月1日に開設すると発表した。電子書籍販売サイトを運営するパピレスと共同で運営する。
夏目漱石の「こころ」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」など過去の名作をまずは2000作品そろえ、順次追加する。このほか、ユーザーの投稿作品から選んだ小説を電子書籍化する。ケータイ読書館、新潮ケータイ文庫DXなど他の電子書籍サイトが提供する無料のサンプル版も公開する。
利用できるのは電子書籍が読める対応アプリを搭載した「923SH」など全37機種。1作品あたりのデータ量の目安は10~500キロバイト程度という。コンテンツは無料だが、月額315円の「S!ベーシックパック」の利用料とデータ通信料が別途かかる。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT1d000029082008
一見、「無料で読める」という文句に惹かれて「すばらしい」と褒めようと思ったのだけど、「月額315円の「S!ベーシックパック」の利用料」の部分を見てげんなり。日本の古い携帯ビジネスはまだまだ変わらないんだな。夏目漱石の「こころ」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」など過去の名作と言いながら「青空文庫(著作権の切れた小説など)」を餌に電子書籍閲覧アプリ(有料)のユーザーを増やすのが目的で、革新的なサービスではないです。
でも気になったニュースであることは違いなく、もっと違うやり方で新しい価値を生むサービスがあるんでないかと考えさせられます。
YouTubeに追い風、ビデオ共有はセーフハーバーの保護対象 – 米地裁判断
米カリフォルニア州北部の連邦地方裁判所で、動画共有Veohのサービスがデジタルミレニアム著作権法 (DMCA)のセーフハーバーの対象になるという判断が下された。同様のサービスを提供するYouTubeがViacomから著作権侵害で訴えられている訴訟にも影響を及ぼす可能性がある。
これはアダルトコンテンツを取り扱うIo Groupが、同社が権利を持つ動画コンテンツがVeohにアップロードされていたことから2006年に起こした著作権侵害裁判だ。米国では90年代後半に、著作権侵害訴訟がインターネットサービスプロバイダーのようなサービスにまで波及するのが防ぐために、オンラインサービスプロバイダーを対象としたセーフハーバーがDMCAに設けられた。違法行為が通知された場合に削除する義務を果たせば、著作権侵害などの責任は問われない。Veohのケースでは、同サービスがセーフハーバーの条件を満たすサービスプロバイダーであるかが焦点となった。
Io側は、実名登録やIPアドレスを追跡するような仕組みを設けなければ、同じ人物が偽名などを使って違法行為を繰り返す可能性があると指摘した。これに対してHoward Lloyd判事は、ネット利用において実名登録を条件とするのは現実的ではないとし、またIPアドレスの追跡についても、複数が同じアドレスを共有できることから条件として適切ではないとした。一方Veohの対応については、これまで1000人を超える著作権侵害者を特定・排除してきた実績から、セーフハーバーの条件を満たすと判断した。Io側はまた、動画がアップロードされる際にFlashに変換するステップを踏むVeohの仕組みでは、同サービスが動画コンテンツを管理していると指摘。その過程で、著作権違反をチェックすべきと主張した。これについてもLloyd判事は、ユーザーによるアップロードの監視がセーフハーバーの条件ではないという見解を示した。以上の点から、Veohは同社のサービスにアップロードされたコンテンツに対して著作権侵害の法的な責任を負わないとして、Ioの訴えを退けた。
インターネット周りの事象では日本のはるか先を行っているアメリカでにお興味深い判決です。今回の判例に照らし合わせると、YouTubeも現状の著作権対策で生き残れる可能性が高まる。著作権に違反している動画がOKという内容ではないのでそこは勘違いしてはならないが、さまざまなインターネット動画共有サービスサイトに大きく影響を与えると思う。
ちなみにVeohはかなり前から注目している動画関連WEBサービスです。ぜひチェックしてみてください。
Veoh
http://www.veoh.com/
サイバー特区、来年度創設へ…情報通信事業の創出を支援
総務省は、情報通信ビジネスの国際競争力を引き上げるため、新事業の創出を支援する取り組みを2009年度に実施する方針を固めた。
インターネット上に特定の参加者しか入れない閉鎖空間を設け、著作権の使用料などを気にせず実証実験ができる「サイバー特区」制度の導入などが柱だ。09年度予算の概算要求で20億円を盛り込む。
サイバー特区では、ネット上で流通している映像や音楽などのうち著作権者が認めたものを使って、実証実験の参加者が自由に加工や編集ができるようにすることなどを想定している。http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080824-OYT1T00738.htm
インターネットの発達で存続の危機を迎えている「旧・著作権」の問題ですが、総務省はなんだか状況が分かっていないのに、新しいビジネスの臭いを感じたのかな。IT国際競争に置いてかれないための新たな取り組みとして、インターネット上に著作権料などを気にせず既存の映像や音楽を自由に加工・編集できる空間を創設する方針のようです。
ニコニコでも試験的にやろうとしているけど、「OK」が出る素材がどんなものなのかよくわからないうちは、何ともコメントしずらいですね。
ゴミみたいな素材では、ゴミ料理しかできないんだよな。
ユーザーが投稿したバグ動画に対しEAがCMで反論(ニコニコ動画より)
これはすごい。久々に、アメリカの広告の凄さにウチフルエルおもしろトピックです。
①まずはユーザーの「このバグさいこーだよ、ジーザスだよ、ウヘヘ」という動画。26万回再生。
②そして続きがこちら。EA(エレクトロニックアーツ~北米大手のゲームソフト会社)の逆襲。
「バグじゃありません。タイガーはホントにジーザスなんです。」的な。(笑)
鮮やか過ぎる!!!これは久々にほんとスゴイ!!!(90万回再生)
著作権とか、もちろんあるんだけれども、このユニークかつ本気な返しと広告手法(例え自作自演だったとしても)はまだ日本ではアバンギャルドすぎるのかな。
でもかっこいいな、いいな。
がんばりますROCKETWORKS!
「こんな“お化けサイト”になるとは思っていなかった」――「発言小町」なぜ人気(ITmediaNewsより)
「こんなお化けサイトになるとは思っていなかった」――「発言小町」運営に長く関わってきた読売新聞グループ本社社長室知的財産担当の川内友明さんは言う。
発言小町は、YOMIURI ONLINE(YOL)内の女性向けサイト「大手小町」内にある掲示板コーナー。質問や相談を匿名で投稿したり、投稿に対してレスを付けたりすることができる。
内容的には以下のようなページです。数字もスゴイ!
投稿は、ちょっとした質問から恋愛相談や嫁姑の悩み、子育ての悩み、日ごろの愚痴など多種多様だ。「麦茶に何を入れますか?」「夫が本気の不倫……私はやり直したい」「何を作っても美味しいと言わない義理の両親」――匿名で投稿される質問や悩みごとに、匿名の読者から回答が寄せられる。
すべての投稿を編集部でチェック。誹謗中傷や読者を傷つけるような投稿は掲載を拒否したり、編集してから掲載する。1日の投稿数は約3000件。 ページビュー(PV)は非公開だが、月間1億PVという大手小町の大半を発言小町が占めているという。ユーザーは20代後半から40代の女性が中心だ。
女性に特化した「悩み相談」「日々の生活の知恵」がたくさんあって、いいですよね。
でも、ちょっと情報量が多くなりすぎて(弊社サイトも言われるところだな~)、どこをどの順番で見ていけばいいのか、慣れるまで困っちゃいますね。
そういった意味で、「発狂小町」の閉鎖は残念ではありますが、妥当と言えば妥当で正当。
ただ、「影も光も仲良く」がネット社会も、現実社会も、「理想」ではありますね。客観的視点では(ホントウは)。
大事だと思います。弊社のサイト運営上も、肝に銘じたい部分。
ちょっと前のニュースですが、気になっていたゲーム関連の訴訟トピックを一つ。
先月末、NINTENDO DSソフトのプロテクト解除を行う「マジックコンピュータ」通称「マジコン」の販売会社5社に、任天堂以下54社のソフトメーカーが、販売差し止めの訴訟を起こした。この訴訟にまつわる顛末が、ちょっと気になったのでレポートしたい。
「マジコン:違法DSソフト使える機器販売 任天堂など、中国系5社を提訴」
任天堂は29日、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」に装着すると、違法コピーされたゲームソフトで遊べる「マジコン」と呼ばれる機器を輸入販売している中国系の「嘉年華」(東京都文京区)など5社に対し、不正競争防止法に基づき輸入販売の差し止めを求める訴えを東京地裁に起こした。カプコンやセガなどDS用ソフトの国内ゲームメーカー54社と共同で行った。◇通称「マジコン」
マジコンは、インターネットのサイトに公開された違法ソフトをパソコン経由で取り込み、DSに装着してソフトを複製する機器。「R4 Revolution for DS」などがあり、国内に数十万台普及しているとされる。DSには複製ソフトを起動しない仕組みがあるが、マジコンを使うと動かすことができる。任天堂は「マジコンが市場に広まると、ゲーム産業全体の健全な育成が阻害される」と指摘している。一方、提訴を受けた5社のうち、2社は「数カ月前に既に販売をやめた」「訴状を見ていないのでコメントできない」と話している。任天堂は海外でも同種の訴訟を起こしており、韓国では今年7月、販売会社に対して販売の差し止めが命じられた。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080730ddm041040070000c.html
今回の事例においても任天堂法務部の手腕が光る。まず、スクウェアエニックスの新作ソフト「ドラゴンクエストV」で、コピー防止措置を仕掛けた。「船が港に着かない」ってこのコピーガードは素晴らしいセンスであるとも思った。
スクエニがDS版ドラクエ5にコピーガード「船が港に着かない」
17日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に、違法コピーに対抗するためのコピーガードが施されていることが明らかになった。音楽CDや映像DVDなどと同様に、違法コピーが多く出回るゲーム業界の中で、メーカー大手の「スクウェア・エニックス」が不法ユーザーに一矢を報いた形だ。『ドラゴンクエストV』は、92年にスーパーファミコン用ソフトとして発売され、社会的なムーブメントを巻き起こした大ヒット作。04年にはプレイステーション2に移植され、今回、様々な新要素を加えた形でニンテンドーDSに再移植されていた。そんなDS版「ドラクエ5」だが、発売日前日の16日前後からネット上に違法コピーデータが出回っていたという。この違法データをプレイした者のうち数人が、ネット掲示板に「オープニングに出てくる一番最初の船がいつまで経っても港に着かないんですけどどうすればいいんですか?」などと書き込んでいたのだ。
この書き込みに対し、ネット上では「ついにメーカーがコピーガードを仕込んだか?」「いやいや、単なるバグでは?」など様々な憶測が流れた。
噂について、発売元であるスクウェアエニックスの広報部に問い合わせてみると、「確かに、コピーだと船が港に着かないようになっています。違法コピー対策ということで、そういう仕様にしています」とのこと。スクウェアエニックスでは、今後も様々な形で違法コピーに対して厳格に対応していくという。(写真は『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』HPより)
これを翌日の7月18日には「マジコン」販売会社がファームアップで対応したのだが、この行為は「不正競争防止法」第2条第10項の禁止項目「営業上用いられている技術的制限手段の回避機能の提供」に当たる。つまり最初から、マジコン側でコピーガードが破られることは想定済みだったのだろう。でなければこの短期間に54社も提訴に加わることはない。55社も集まって提訴するは非常に調整が面倒だ。SFC版「マジコン」も同様の状況で販売差し止め請求を行い、認められる判決が出ているで、裁判での勝利は確定的と言っていい状況だ。
このたび、任天堂株式会社(本社:京都市南区、取締役社長:岩田聡)は、ニンテンドーDS(ニンテンドーDSLiteを含む)で起動するゲーム・プログラムを開発・販売しているソフトメーカー54社と共に、「R4 Revolution for DS」に代表される機器(いわゆる、「マジコン」と呼ばれる機器)に対し、不正競争防止法に基づいて、輸入・販売行為の差止等を求める訴訟を、同行為をなす複数社に対して東京地方裁判所に提訴いたしましたのでお知らせします。
これらの機器により、インターネット上の違法アップロードサイト等から入手した本来ニンテンドーDS上では起動しないはずのゲーム・プログラムの複製物が、起動可能となるため、当該機器の輸入・販売等の行為により、当社およびソフトメーカー各社は極めて大きな損害を被っており、到底見過ごすことのできないものです。
当社およびソフトメーカー各社は、このような機器が市場に蔓延することにより、コンピュータゲーム産業全体の健全な育成・発展が阻害されると判断し、同種同等のいわゆる「マジコン」と呼ばれる機器に対して、継続して断固たる法的措置を講じる所存です。
http://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2008/080729.html
ユーザーにとってはどうなのだろう。これには「個人の複製権」の適用範囲が関わってくる。著作権法第30条には「技術的保護手段の回避」が行われた場合には「個人の複製権」が失われるとある。今回「マジコン」使用が「技術的保護手段の回避」であると裁判で認められた場合、「個人の複製権」を盾に身を守ることはできなくなる可能性がある。おそらく任天堂法務部はその辺りまで睨んで、7月29日に訴訟を起こしたと思われる。
今回に限らず、任天堂法務部は様々な裁判でその手腕を光らせてきた。いくつか例をあげる。
キングコング裁判(1982年)
1982年、米大手映画会社のユニバーサル映画(当時はMCA傘下)が、『ドンキーコング』は当時同社が版権を保有していた映画『キングコング』のキャラクター著作権を侵害しているとして損害賠償を求める訴訟を起こした。これに対し任天堂の米国法人Nintendo of Americaは、逆に名誉毀損の反訴を起こし真っ向から対決。そして裁判の過程において、元々ユニバーサル映画はオリジナルの『キングコング』(1933年版)に関する版権を取得せずにリメイク版の『キングコング』(1976年版)を制作していたことが判明したため、「そもそもユニバーサル映画は『キングコング』に関する版権など保有していない」とユニバーサル映画側の訴えは却下。「『ドンキーコング』と『キングコング』は全くの別物である」として、1986年に任天堂はユニバーサル映画から約160万ドルの損害賠償を勝ち取った。
テトリス事件(1989年3月)
セガと任天堂で、テトリスゲーム化の競争が起きた。セガはアタリ社とその子会社テンゲン社から権利を取得。一方任天堂はソ連外国貿易協会と家庭用ゲーム機向けソフト独占販売契約をした。アタリ社とテンゲン社は、権利を侵害されたとして訴訟を起こし、対して任天堂はテンゲンを販売差し止めの逆提訴。全面対決となる。実はアタリ社が持っていたテトリスの権利は、いくつもの会社を通して購入したもので、IBMパソコン互換機用のみの権利だった。任天堂はこれを調べ上げアタリ社とテンゲン社は敗訴。販売差し止め請求によりセガはテトリスを販売できなくなった。
ポケモン「ユンゲラー」裁判(2000年12月)
ポケモンのキャラクター「ユンゲラー」は自分の権利を侵していると、自称超能力者ユリゲラーに訴えられたが、却下された。実際の裁判の争点は、ポケモンナンバー64番「ユンゲラー」は日本でしか著作権を取ってない。またユンゲラーと呼称するポケモンは、日本でしか発売されてない。日本国内向けに、日本国内で販売された製品には、海外の法が適用されない。ゆえに、アメリカの連邦法での訴訟要件を満たしてない・・・とのこと。実際にアメリカ版のソフトから「ユンゲラー」が入っていない事実は、非常に驚かされる。
任天堂法務部の事件を見渡すとある共通点が分かる。それは徹底的な事前調査だ。何か起きそうな所は先回りして対抗手段を取っておく、その技量が素晴らしい。事業部門が法務部門の連携がうまく行かない事で、後々になってトラブルになることは往々にしてある事ですが、企業にとってのリスク回避と資産を守るために、事業部門と法務部門のバランスがうまくいった事例として参考になりますね。
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20080730/1217425696